1.免疫の話パート2

免疫と脳の炎症

 

  1. ブレインフォグ(頭に霧がかかっているようだ)
  2. 考えがまとまらない
  3. 集中できない
  4. 物忘れが増えてきた
  5. うつ、パニック症の気がある
  6. 自律神経失調の傾向がある

これらは、脳に炎症が起きている場合に起こる可能性がある症状です。実はこれらの脳や神経系の症状が免疫システムのバランスや身体の炎症の度合いとも関連しているのです。

 

免疫システムはとても複雑なのですが、ごく簡単に整理してみましょう。

我々の身体には働きが違う免疫システムが備わっています。

  1. ウィルスやバクテリア、寄生虫、細菌などの外敵に対して反応する免疫
  2. カビや、チリ、ダストや食べ物などに反応する免疫
  3. その2つの免疫のバランスを調節する免疫
  4. 免疫を鎮静する免疫

等です。そうです、免疫を鎮静する免疫もあるのです。ところが一般的には免疫を強くすることが健康であると言われています。最近では免疫が自分の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患という病気が増加していて、アメリカで2千4百万人が何らかの自己免疫疾患を持っているという統計もあります。(The National Institutes of Health) これは免疫システムの一部が過剰に反応していることで起きます。ということは単に免疫が強ければいいわけではなく、逆に働きが強すぎることでも問題になるということなのです。大切なのは免疫機能の正常なバランスを保つ事です。

 さてストレスや慢性の感染症や痛みなどからこの免疫システムが刺激されると、サイトカインという物質が作り出されます。実はこのサイトカインは血液脳血管バリアシステムを透過して脳の中に入り、脳に炎症を起こす物質を刺激することがわかっています。前回お話をしたグルテンなどの食物過敏症、慢性の関節や筋肉の痛み、腸炎などが慢性化するとこのサイトカインが活発になり、脳の炎症を増やしてしまうのです。そして、炎症が起こる脳の部位によっては様々な症状が現れてきます。炎症が起こる場所が感情に関わる部分であればうつやパニック、認知機能に関わる場所であれば物忘れや認知機能の低下及び高次機能の低下、そして自律神経を調節する場所に炎症が起これば、自律神経失調などとして現れます。

 最近では左右脳がそれぞれ免疫システムの違う部位をコントロールしながらバランスを取っているという研究も出ています。脳のバランスを整えることがやはり何よりも大切でしょう。

 

免疫システムのバランスの崩れから起こる脳の炎症を抑えるためには

 

1.      脳のバランスを整える

2.      身体や内臓の炎症、痛みを取り除く

3.      腸内の余剰なバクテリア、カビ、細菌、イーストの繁殖を除去し腸内バクテリアのバランスを整える

4.      食物過敏症などを取り除く

 

事が大切です。当医院では脳や神経系の働きだけでなく、腸内環境、ホルモンバランス改善、食事療法及びサプリメントを通して免疫系のバランス治療を行っています。

 

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2.ストレスや糖分過多によるインスリン抵抗性と男性ホルモン過剰が引き起こす不眠とニキビや肌荒れ

女性でも男性ホルモンを分泌しているのを知っていますか?当医院に来院する女性患者さんの中で男性ホルモンの分泌が過剰になっているケースをたくさん診ます。驚くことにこの現象は十代後半から更年期を過ぎた広い年齢層で起こっています。英語ではAndrogen Dominant、日本語ではアンドロゲン(男性ホルモン)優位性と呼びます。実はこの優位性が起こると、肌の健康だけでなく、痩せられない、声の質の変化、体毛がこくなる、怒りっぽい、そして成人病になりやすくなるなど健康に重要な変化が引き起こされてしまうのです。またうつやパニック、不安症、そして不眠症の原因になる事も知られています。

 

ストレスや糖分過多が引き起こすインスリン抵抗性とは?

ストレス過多や、甘いものの摂り過ぎだけでなくついつい美味しくて摂り過ぎてしまう炭水化物中心のダイエットを続けることで、徐々に膵臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなってしまいます。するとそれが原因でコルチゾールが増えたり、男性ホルモンが増えたり、女性ホルモンバランスが崩れてしまうのです。インスリン抵抗性は、糖尿病予備群とも呼ばれていますので、これを放置すれば糖尿病に発展することになり健康に多大な影響を与えます。

 

インスリン抵抗性から男性ホルモン過剰分泌があるとこんな症状が出ます

寝付けない、もしくは何度も目が醒めてその後寝られなくなってしまう

必ず夜中の3時に目が覚める

頻尿

すぐにお腹が減る

おでこ、頭部や背中などにニキビが出きやすくなる

皮膚が荒れる、フケが出る、髪の毛が抜ける、体毛が増える

体重が増える

朝手足がむくむ

身体が痛い

イライラ、怒りっぽい、不安症、パニック

糖分やカフェイン飲料がどうしても欲しくなる

などですが、インスリン抵抗性から男性ホルモン過多になると、女性では多嚢胞性卵巣症候群という卵巣に嚢胞がたくさん出来てしまう病気にかかりやすくなり、また血管壁が弱くなることで将来的に心臓血管系疾患にかかりやすくなる事もわかっています。

 

インスリン抵抗性と脳の老化の関係

インスリン抵抗性が起きると、脳の中でも同じ状況が起こることで脳細胞の老化や、アミロイドの増加によるアルツハイマーとの関連もわかってきています。肌の健康や体重コントロールだけでなく、精神や脳の健康にも将来的に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

上記のような症状はついつい我慢してしまいがちですが、将来的に起こる可能性がある病気の中には回復することが難しい病気も含まれています。出来るだけ早いうちから状況を把握して対処する事が望ましいと思います。

 

どうやって検査するのでしょうか?

血液と唾液で検査できます。当医院ではHgA1cや血糖値、副腎機能やホルモンバランス、そしてグルテン過敏症検査などを検査してインスリン抵抗性やホルモンバランスを治療しています。ホルモンバランスの崩れるパターンは何種類もありますので、その結果によって使うサプリメントも変わります。なんとなくテレビや雑誌の情報や噂に流されて良さそうなサプリを手当たり次第試すよりも確実に必要なサプリを判断することが出来ます。

 

 

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3.自律神経失調

 

自律神経とは身体中のいたるところに張り巡らされた、人間が生きるために必要不可欠な働きを持った神経グループの事を呼びます。大きく分けると交感神経と副交感神経にわけられるですが、お互いが相反する働きをすることでバランスを取り合い身体の具合を丁度いいところに調節しているんですね。そしてそのバランスが崩れることを自律神経失調といいます。

自律神経は脳からの信号や、ホルモンなどのバランスと関わっていてとても複雑にコントロールされていますので、一度バランスが崩れると調整するのが大変になります。

 

自律神経のバランスが崩れる原因は

1.      ストレス

2.      精神的トラウマ

3.      身体的トラウマ

4.      ホルモンバランスの崩れ

5.      生活習慣

です。

 

症状は

1.      胸(息)が苦しい

2.      飲み込みにくい

3.      ふわふわめまいがある

4.      異常に肩がこる

5.      頭痛持ちである

6.      不眠

7.      急な発汗

8.      パニック症状

9.      手足のしびれ

10.肩甲骨のあたりが痛い

11.みぞおちあたりがいつも苦しい

などです。

 

 

自律神経失調症を持つ人の悩みは、他の人に相談してもわかってもらえない場合が多く、具合が悪いことがさらに周りの人に対する引け目のように感じ、人間関係だけでなく、自分自身に対する自信の喪失にもつながり、身体、精神両方の健康にとってもよくありません。当医院にはそういった患者さんが多く来院してきます。自律神経失調でお悩みの人はぜひご相談ください。

 

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4.顎関節症と頭痛

顎関節がゆがむと頭痛の原因になる

 

後頭部や側頭部、前頭部、そして目の上などに起こる頭痛と顔(頭蓋骨)のゆがみに関連があります。

 

慢性的な偏頭痛で悩んでいる人にグッドニュースです。

機能神経科では投薬を使わずに偏頭痛やその他の頭痛を改善する研究も進めています。

その中で偏頭痛に非常に効果が高い最新の治療法が発見されました。そのレポートは以下の機能神経科の専門誌に発表されています。

Insufflation As a Novel Therapy Which Produces Rapid Relief of Migraine Headache

Journal of Functional Neurology, Rehabilitation, and Ergonomics, Vol 3, Nov 1, 2013 P93.です。

 

このケースレポートでは、13人の偏頭痛が始まっている患者さんを頭痛開始時に薬を摂取しない状態でインサフレーションという治療を行った結果、9人は即座に完全に頭痛がない状態、もしくはほどんど頭痛がない状態に改善、3人は中度(痛みが半減)の改善、1人は変化なしという臨床結果が報告されています。ということは1人をのぞいてすべての患者さんに頭痛の改善が見られ、悪化したケースは0、そして70%の患者さんはほぼ頭痛が解消したという素晴らしい結果です。この研究結果を受けて機能神経科医の中でこの治療法が広まっています。

 

 

顎関節症で顔がゆがむ

偏頭痛の原因はまだ完全に解明されていませんが、アレルギーとの関連、ホルモンバランス、頚椎、顎関節のと関連、そして最近最も有力な説は脳内の血管の拡張、収縮との関連が強いとされています。脳内の血管に関連している脳神経は三叉神経という神経で、顔面神経痛などの原因にもなっている神経です。

 

 

インサフレーションとは?

実はインサフレーションと言うのは空気圧を使って圧迫をかける事を言います。それをこの写真のような機材を使って耳に行うことで鼓膜を刺激します。全く痛みを感じませんし、高価な治療機器が必要なわけでもありませんので通常の治療の一部として行うことができますし、何より安全です。どのようにしてこの治療で頭痛が軽減できるかは、鼓膜は偏頭痛の原因になっていると考えられている三叉神経、及び迷走神経や舌咽神経などと直接繋がっている関係で、鼓膜へのインサフレーションでこれらの神経に影響を与えることで脳内の血管の環境が整えられ、その結果偏頭痛が改善されるのではないかと考えられています。

また、顔面神経痛にも同じように効果があるというレポートも発表されています。

 

 

当機能神経科医院では、インサフレーション治療をホルモン、アレルギー調整、頚椎や顎関節の調整などと合せて安全に偏頭痛治療を行っています。慢性的な頭痛でお悩みの人はご相談ください。

 

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