1.交通事故や運動中の怪我による脳神経系への影響について

 

交通事故に遭うと事故の大きさに関わらず身体にはかなりの衝撃が加わります。その結果、身体のいろいろなところに怪我をしてしまうことなります。交通事故の怪我で一般的によく知られているのは「むち打ち症」ですが、衝突の瞬間に強く頭を振られる衝撃から、実は脳や中枢神経系、末梢神経系、および自律神経系にもダメージを受けている可能性が多いのをご存知でしょうか?これをTraumatic Brain Injury(TBI)=外傷性脳損傷といいます。交通事故以外でTBIが起こりやすいスポーツは、ボクシング、ホッケー、アメリカンフットボール、体操、スキーやスノーボードなどです。TBIによって選手生命ばかりか、実際に命に関わる危機にさらされることも少なくありません。重度の場合、脳の出血や神経系が切断されたり、髄液がもれ出てしまったりということが起こります。しかし軽中度の場合は、レントゲンやMRIなどの検査でははっきりとしたダメージが見つけられないことから、症状が出ていても何の処置もされずに放置されてしまい、後遺症に悩むというケースも少なくありません。交通事故や転倒、及び運動中の怪我で脳や神経系への影響がある場合に出る症状は、

1.頭痛やしびれ

2.一時的な記憶障害

3.めまい、ふらつき、立ちくらみ

4.動悸や息苦しいなどの自律神経失調の症状

5.光に過敏、焦点が合わない、物が2重に見える

6.聞こえにくいもしくは音が気になる、耳鳴り

7.しゃべりにくい、飲み込みにくい

8.匂いや味が変わった

9.不眠もしくは過度の眠気

10.            極度の疲労感

11.            力が入りにくい

12.            食欲がない、吐き気、下痢など消化器系の症状

13.            集中力の欠如

14.            パニック症状

15.            うつ症状

等です。

カイロプラクティック神経科医は、脳や神経系の症状の検査及び治療の専門家です。事故などで上記のような症状が出ている人は、症状が軽くても脳や神経に影響が出ている可能性があります。まずは専門家にご相談ください。

我々カイロプラクティック神経科医(Functional Neurologist)の大学病院にてTBIによるめまい症状でプレーが出来なくなったNHLCydney Crosby選手をカムバックさせた治療の様子が放映されました。興味がある人はのぞいてみてください。http://www.cbc.ca/sports/hockeynightincanada/insidehockey/video/#id=2171100044

 

 

 

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2.心の痛みと自律神経失調症

 

いやな経験をして苦い思いをした経験、だれでもお持ちだと思います。

 

なぜ心が傷つくと胸が苦しくなったり、呼吸がしにくくなったり、気分が落ち込んでしまうのでしょうか?

 

それは心の傷と自律神経が直接つながっているからなのです。

 

脳の側頭部に大脳辺縁系といわれる部分があります。そこにいやな経験の記憶やその時の感情がたまる引き出しがあります。

 

実はこの引き出しと自律神経は直接つながっているのです。

 

いやな経験から心が痛むと、自律神経にスイッチが入り、胸が苦しい、呼吸がしにくい、首が痛い、頭が重い、顔面が引きつる、気分が落ち込むなどの症状が現れます。

 

新しい心の傷は古い傷と一緒にこの引き出しにどんどんしまい込まれていきます。

そして新たなストレス、体調不良、ホルモンバランスの崩れなどいろいろなきっかけから、引き出しにしまいこまれていた感情が漏れ出て自律神経のスイッチをオンにします。

 

苦い思い出は、どんなに古い思い出でも思い出すと胸が苦しくなりますよね。

残念ながら、いやな思い出ほど引き出しにたまりやすいのです。

 

この引き出しの大きさには個人差がありますが、引き出しの許容量を小さくしてしまう原因があります。

虐待などの子供の頃のトラウマ、継続的なストレス、そしてホルモンバランスの崩れです。

 

ストレスには良いストレスと悪いストレスがあります。よいストレスが加わると身体にいいホルモンが分泌されますが、悪いストレスが加わると身体を悪くするホルモンが出てしまいます。その結果、ストレスに対する抵抗力が低下して、ますます自律神経が失調しやすくなります。

 

実は心の痛みと身体の痛みは、脳の同じような部分を刺激することがわかっています。

心の痛みだけでなく、慢性的な身体の痛みでもやはり自律神経が失調します。

 

自律神経のスイッチがコントロール不能になると、パニック症候群やうつ、慢性疲労症、そのほか原因不明の症状の原因にもなります。

 

心の痛みは出来るだけ早くにリリースする。

 

身体の痛みは出来るだけ早くに取り除く。

 

ストレスは出来るだけ早くに取り除く。

 

わかっていても自分ではどうにもならない場合が多いようです。

 

 

心の痛みや身体の痛みから身体にいろいろな変調をきたしている人、いろいろ調べても体調不良の原因がわからずに悩んでいる人はカイロプラクティック神経科に早めにご相談ください。

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3.社会現象になっている子供の脳の発育バランスの崩れ

 

自閉症の原因などについて様々な意見がメディアで紹介され日本で一時問題になりました。我々機能神経科医は、一般的に小児発達障害と呼ばれているこれらの脳の発育バランスの崩れを、「機能的コネクション不全症候群」と呼んでいます。脳の発育、特に左右の発育バランスの崩れとコネクションの度合いによっていろいろな症状が出るという考えです。特定の遺伝子に異常があるという研究も進んでいますが、それでも左右の脳バランスが整い、脳の機能的なコネクションの再接続が出来れば脳の発育や機能が向上すると考えています。

子供の脳の発育の仕方

脳は、生まれてからはじめの3年間で右脳が優位に発育します。この時期に、右脳の働きである空間感覚、自分の身体を感じる感覚、人の感情を読み取る感覚、そしてボディーランゲッジなどの感覚が発達します。その後の3年間は左脳の発育が優位になり、意識して行動を起こす、理論、言語、計算、そして細かい手先の動きなどが発育します。そしてその後も交互に成長を繰り返し、どんどん複雑な働きが出来るように発達し、13歳頃までには成人と同じくらいの大きさに発育します。この正常な発育を促すには、視覚、嗅覚、触覚、感覚受容体、三半規管などすべての感覚器を通して絶え間ない変化に富んだ刺激及び、親やケアーギバーからの愛情を受ける必要があります。

脳の働き      

左右脳はそれぞれ違う役割と働きを持っていて、すべての感覚器官からの刺激をそれぞれの働きに応じた脳の部位にて受容し、整理して分析し、そして左右脳の複雑なコミュニケーションの結果、特定の表現をするプログラムを作ります。そしてその構築されたプログラムによって状況に応じた表現をします。表現とは、運動、行動、感情、知性、社交性、そして学業などとして現れます。

原因は

遺伝、妊娠時の母体の身体的、精神的健康度、両親の年齢、栄養の偏り、環境毒素、出産時の直接の怪我、幼児期の怪我、アレルギー、両親不在、コンピューターやビデオゲームの悪影響、そして運動不足や肥満などの要因が絡み合っていると考えられます。これらのリスクファクターが多く重なれば重なるほど、子供の脳の発育バランスが崩れやすくなります。

子供の脳の発育バランスが崩れると

上記のような原因の複合から左右脳の発育バランスが崩れると、感覚受容、そして脳の整理分析機能が崩れ、その結果表現に影響が出ます。その影響とは、落ち着きが無い、コミュニケーションが出来ない、言語の発達が遅い、感情表現が人と違う、外界と対話が出来ない、読んだり聞いたりがうまく整理できない、動きがぎこちない、姿勢が悪い、そして結果学業の遅れなどという形で現れます。バランスの崩れの度合いによって表現の違いの度合いが変わってきます。

 

表現の違いは、毎日お子さんと接している中でなんだか他の子と少し違うように感じる、幼稚園や学校の先生からもちょっと変わっているように思うと言われたことがあるなどがキーワードです。特に幼稚園や学校の先生は子供の変化を見るプロフェッショナルですので、脳の発育バランスの崩れを親よりも先に気が付くことも少なくありません。先生とのコミュニケーションも大切にしてください。

 

 

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4.男の脳と女の脳の違いの話

 

脳スキャンの発達で、男性の脳と女性の脳の構造的な違いや機能の違いがわかってきています。その違いが男性と女性の考え方や行動の違いにつながっているようです。

 まず大きさです。身体の大きさの比率で比べても男性のほうが脳が大きいようです。だからといって必ずしも男性のほうが頭が良いということではありません。次に、左右の脳をつないでいる脳梁という部位は女性の方が大きいそうです。そして男性は大脳灰白質(脳の表面)が発達していて、女性は大脳白質(脳の中心部)が発達しているそうです。では、どういうことなのか実際によく話題になる男女の差にあてはめて考えてみましょう。

 女性の脳に発達している脳梁や大脳白質は実は脳の部分部分をつなぐコネクションなのです。女性の脳は左右だけでなく部分部分のコネクションが男性に比べて発達しているため、同じことをするのにも、男性よりも脳のいろいろな部分を同時に使うことがわかっています。一方男性は、大脳灰白質が発達していますので、コネクションよりも特定の脳の部位の機能が集中的に強い傾向があるようです。ということは、男性特有の、ひとつのことに集中するとそれ以外のことが見えなくなる傾向にも納得がいきます。それに比べて女性は脳のいろいろな部分がつながりあっているため、一度にいろいろなことが出来たりするのでしょう。男の人が何かに集中しているときに話しかけても、何も頭に入ってこないんです。何度言ったらわかるの!!とか、また聞いてない~!とか言わないで、女性の皆さんわかってあげてください。それが男性の脳の特徴なんです。

 次に、女性は前頭葉と大脳辺縁系が男性よりも大きく、また言語脳の働きも男性より強いようです。それに比べて男性は頭頂葉の発達が強いようです。

頭頂葉は空間的な位置関係を図る脳です。男性が位置関係や、地図などに強く、反対に女性は地図が読めないなどと言われるのはこのためでしょう。でも女性は道に迷ったらためらい無く人に道順を聞くことができます。ところが男性は迷っても人には聞きません。それをしたがらないひとつの理由はもともと備わっている空間的な位置能力が必ずたどり着けるはずだと思い込ませているのかもしれません。女性に発達している大脳辺縁系は記憶や感情センターです。記憶は、感情と結びついたときに脳に焼きつき一生忘れない記憶になります。女性がすべてのことを覚えているのはこのためでしょう。男性はよっぽど執着していること以外ほとんどの場合あまり覚えていません。たとえば、去年の結婚記念日、おととしの誕生日、女性は細かく覚えている傾向がありますが、男性は覚えていません。そして口げんかになっても言語脳が発達している女性に男性がかなうわけがありません。女性のこの感情と記憶を結び付ける能力と言語脳の発達を合わせると、女性が自分の感じていることや、ある出来事に関しての自分の感情を言葉に表し友達に相談することが上手なのもうなずけます。ですので女性が集まると次から次へと話がつきません。男性は言葉で感情を表現することが余り得意でなないようですし、ましてやよっぽどのことでない限り友達に相談することもありません。ただし、特定の事柄、たとえば車、ゲーム、コンピューター、釣り、フットボール、野球、サッカーなどの好きなことに関してはかなり細かい情報を持ち、深い話をすることが出来るのです。

 

 大脳辺縁系は、感情や記憶そして自律神経とも深いつながりがあります。女性の方がうつやパニック症、自律神経失調症になるケースが多いことと、女性の大脳辺縁系の発達には間違いなく関連があるように思います。また男性のほうが脳内のコネクションが弱く、脳の部分的な機能が高いサブァン症候群や、自閉症、アスペルガー症候群などになりやすいのもこの男性の脳の特性と関係があるに違いありません。さらに、パニック、うつ、自律神経失調症、自閉症、ADHD、アスペルガー症候群などは、左右脳の発達、機能の差と深い関わりがあります。その関わりについては次の機会に記述したいと思います。

 

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