不定愁訴症候群

 

不定愁訴という言葉をご存じですか?

 

ウィキペディアによると

 

不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、「頭が重い、はっきししない」、「ふらふらする」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えるが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指す。 患者からの訴え(主訴)は強いが主観的で多岐にわたり、客観的所見に乏しいのが特徴。 自律神経失調症と診断されることも多い。

 

と書かれています。

実は具合が悪いと感じている人の7割以上が診断名がつく「病気」を持っているのではなく、原因がわからない不定愁訴を持っていると言われています。一般的に医師に診察を受けると、「どこも悪くないので、気のせいでしょう」、「更年期ですね」、「自律神経失調症でしょう」という診断になることが多く、何も出来る事がないなら「我慢するしかない」というケースになってしまうことがほとんどのようです。いよいよ症状が強くなり、日常生活に支障が出るようになると、多くの場合精神薬等を勧められ、その時点でもしくは精神薬を試したけれども変化がないという時点で当医院に来院される患者さんが多く見られます。これを「不定愁訴症候群」と呼んでいます。

 

英語で自律神経失調症はDysautonomia、もしくはAutonomic Imbalance等と呼ばれます。不思議なのは日本人ならだれでも「自律神経失調症」という言葉を少なからず聞いたことがあるはずですが、その単語をアメリカ人に言ってもほとんどが聞いたことがないと言います。それだけ日本では「不定愁訴」を持つ患者さんに対して長い間「自律神経失調症」という言葉が使われているということなのでしょう。

 

不定愁訴症候群を治療するには

1.      交感神経と副交感神経のバランスと、それをコントロールしている

左右脳、視床下部、下垂体、そして感情や記憶と関連している大脳辺縁系等のバランス

2.      血糖値、貧血

3.      免疫バランス

4.      ホルモンバランス

5.      精神のバランス

を整える事が必要だと私は考えています。特に自律神経にはそれをコントロールしているシステムが脳に何箇所も点在しています。自律神経を治療するには、脳内のコントロールシステムのどこの働きが低下しているのかを特定する必要があるのです。

 

我々機能神経科医は、光に対する瞳孔の反射や、寝た状態から立ち上がった時の血圧の変化、目をつぶった瞬間にどちら側に身体が揺れるか、目の動きのバランス等の細かい「神経機能検査」と呼ばれる検査に加えて、病気を探すというよりも機能バランスの崩れを探すための唾液検査や血液検査から不定愁訴を持つ患者さんの身体のどのシステムに問題が起きているのかを調べ、その不具合を投薬をせずに治療する新しい医学の研究を絶えず進めています。

 

 

不定愁訴を持つ人の悩みは、他の人に相談してもわかってもらえない場合が多く、具合が悪いことがさらに周りの人に対する引け目のように感じ、人間関係だけでなく、自分自身に対する自信の喪失にもつながり、身体、精神両方の健康にとってもよくありません。不定愁訴でお悩みの人はぜひご相談ください。